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悪魔の館

2013年02月19日 11:23

「ようこそ、この悪魔の館へ。命ある限りご堪能ください。」


どこからともなく声が聞こえる。

異形の者たちの饐えたような視線。
新しい仲間を拒絶しつつも、根底には堕ちた僕への連帯感がある。

振り払え。
僕の目標は、この地で自らの忌まわしき過去を払拭し、未来への道を作ることだ。

僕は伝説の券を抜き放った。
この券さえあれば、あのポンデリングが100円で食べられる。
半年前のあの悪夢。

「ポンデダブル抹茶おいしいよ?」

という友人の甘言に惑わされ、四肢を引きちぎられるような屈辱を味わった。
この半年間、普通のポンデリングにすればよかった、と思わなかった日はない。

トレイをもち、えーと、あれ。

トング。(ド忘れしてぐぐった)トングを持ち、開幕のゴングが鳴らされた。




な、生ポンデリングだとっ・・!

ありえない。まだこの敵は進化を続けているというのか。
心拍数の上昇を感じる。僕は今、悪鬼のような表情をしていることだろう。
生とはどういうことなのか。いや、そんなに生感はないはず。
生ビールも別に生ってつける必要あんまりないし、「とんねるずの生ダラ」も生放送ではなかった。
生、という言葉に惑わされるな。
静かに目を開くと、そこには何も無かった。やはり幻覚だった。



後頭部に鈍い衝撃を感じた。

気付いたら僕は亀甲縛りされて電気椅子に座らされていた。

「ふふ、どうかね?死ぬ前の景色というのは」

「貴様っ・・!何者だっ・・!」

「我が名は、エンゼルクリーム大帝。お前は、常日頃から
『エンゼルクリームなんてどこのコンビニでも売ってる菓子パンみたいで、いまいち買う気になれないんだよな』
などと言っているな?」

「うぐっ・・・」

「その罪は万死に値するが、最後にチャンスをやろう。ここに100個のエンゼルクリームがある。この中の生クリームを全て吸い出せ」

「馬鹿なっ・・・!せめて、10個ぐらいはカスタードクリームにしてくれっ!なあ、頼むよ、金なら払う」

「駄目だ」

「カスタードクリームが駄目なら、フランクパイ!フランクパイでどうだ!」

「フランクパイ!?ぐはっ、そ、その名前を出すのはやめろ・・」

「わかったぞ!貴様の弱点が!フランクパイ!ハンバーグパイ!エビグラタンパイ!!!!」

「ぐわあああああああああっ!!!!!」


僕はトレイにエンゼルクリームをのせた。




その後も、オールドファッションとの老害対決や、ゴールデンチョコレー島での過酷なサバイバルを経て、
ついにレジにたどり着いた。

「アラサーが一人寂しく店内でエンゼルクリームちゅーちゅー入りまーすwwwwww」

というギャル店員の目線に耐えかねて思わず下を向くと、そこには「ミスター肉まん」の文字が。

搾り出すような声で、肉まんも・・と追加注文すると、

「あかん」

と断られた。顔を上げると、先ほどのギャル店員とは別の、40代ぐらいのおばちゃんが仁王立ちしていた。

「お母ちゃんお前をそんな子に育てた覚えはない。気まずくなって追加注文とか大阪の恥や」

僕はブレンドコーヒーを追加注文した。




悪魔の館から出ると、澄み渡った青空が広がっていた。
一定の達成感はあったものの、心の隅に残った一片の後悔。

「人生とは、後悔と向き合って連打するゲームだよ」

という高橋名人の顔が浮かんで、すぐ消えた。
次はポンデリングを注文しようと強く誓った。
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